最終更新日:2008-02-10
ADSL
xDSLとは何か。
1989年に米国地域電話会社(RBOC)が共同出資する研究会社ベルコアが開発した、 電話用メタル回線を使って高速データ通信を行なう技術の総称を 「DSL(Digital Subscriber Line)」(または「xDSL」)といいます。 理論的には128k~52Mビット/秒の高速デジタル伝送を可能ということです。
xDSLにはADSL·SDSL·HDSL·VDSL·RADSLといったいろいろな種類があります。
ADSLとは何か。
ADSLとは非対称デジタル加入者線"Asymmetric Digital Subscriber Line"のことです。 もちろん反対の、対称デジタル加入者回線"Symmetric Digital Subscriber Line"もあります。
実際にはADSL以外にもなどいろいろな種類があり、全部を総称してDSLやxDSLと呼ばれています。(上記参照)
既存のアナログ回線を使用できるのが最大の特徴である。
普通の電話線は、通話で使われる0~4kHz以外の帯域部分はほとんど使われていませんでした。
そこで、その使われていない周波数帯(約30kHz~約1MHz)を使ったのが、ADSLです。
非対称デジタル加入者線の名前のとおり、受信と送信(上りと下り)が非対称、
つまり受信に使う周波数帯と送信に使う周波数帯が違うので、受信時と送信時の速度が違います。
高い周波数の方が一度にたくさんの容量を送ることができるので、
一般に使用頻度の高い受信を、高い周波数に割り当てています。
今日、光ファイバーが普及してきているため、ADSLは減少していくと考えられています。
ADSLはG.992という技術仕様で通信が行われており、 G.992.1(G.dmt)と、G.992.2(G.lite)の二つに分け、
G.992.1(G.dmt)は帯域を大きく取る(148kHz~1104kHz)ため、速度は下り8Mbps、上り640kbps程度まででるが、 音声信号との干渉を避けるために加入者宅と電話局の両方でスプリッタを使用する。
G.992.2(G.lite)は速度は下り1.5Mbps、上り512kbps程度に押さえるため、 スプリッタを使用しないで通信が行えるため、コストを下げることができる。 使用する帯域は、148kHz~552kHzに絞られている。(下りは両方26kHz~138kHz)
G.992.2(G.lite)は、一般に「ハーフレートADSL」と呼ばれる。G.992.1(G.dmt)は、 「フルレートADSL」と呼ばれる。
このADSLの伝送方式の付帯規格には、地域にあわせた3つの規格に分かれています。
Annex Aは、シンプルな構造の規格のため、通信速度は速く、製品化が容易で低価格に抑えられる。 しかし、日本のISDNと重なる周波数帯域を大幅に使用するため、現在既に普及しているISDNの デジタル通信の周波数に影響されやすいとされ、そのために電話局から離れると急激に通信速度も下がるとも言われています。 主に北米で使われている形式ですが、一部コスト面で有利なため一部のサービスで使用されています。
Annex Bは、主にヨーロッパで一般に利用されています。(日本でのサービスはありません) ISDNのヨーロッパ方式とADSLが共存できるよう設計されています。
Annex Cは、日本のTCM-ISDN方式のISDN回線と同期して、 ISDNの信号が強くなるときに通信量を減らして干渉を避ける。その為にモデムは複雑化して高価になります。 主にISDNを使用していた日本のための付帯規格で多くのADSLはこれを使用している。
その後、現在では8Mbps以上のADSLがサービスとしてあるが、 これは従来の下り通信用の周波数帯(138~1104kHz)の上限を2208kHzまでに引き上げたAnnex Iなどの 新しいG.992.1(G.dmt)の付帯規格で20Mbps超を実現している。
下り40Mbps級のADSLでは、下り上限を3750kHzまで拡張し、上りも138kHzから276kHzへ拡張。
それだけではなく、誤り訂正ビット列を効率化や、
オーバーローディング技術により送信するビット数を拡張することで高速化を行っている。
これらは47Mbps以上のサービスへの高速化にも使用されている。
FTTH
FTTx / FTTH / FTTBとは何か。
FTTHとはFiber To The Homeの略で、光ファイバーを宅内へ直接引き込むサービスやシステム構成方式です。
マンションやビルなどまで引き込み各宅や部屋への引き込みにLANやVDSL、同軸ケーブルなどをつかうものを、
FTTB(Fiber To The Building)などと区別する。そのため、光ファイバーを用いたサービスは、
FTTxと総称を用いる。
光ファイバーを使用することでADSLと違い、伝送損失が少ないため収容局から20km程度まで通信できます。
そして、アクセス網の構成方式によりますが、現在では最大で1Gbpsまでの開始されている。
当初10Mbpsのサービスが行われていたが、ADSLの普及高速化により、現在ほとんどのサービスが100Mbpsのもの
になっている。
下記の「ブロードバンドって?」で書いていますが、日本では都市部では
光通信網が構築されている所が多く、都市部では普及し始めていますが、
ADSLのように既存の電話線でないので、サービスエリア拡大に費用がかかるのと、
高速な通信速度のため
ブロードバンド
ブロードバンドって?
インターネットが一般化するにつれ、高速かつ常時接続可能な接続の需要が高まってきています。
こういった広帯域のインターネット接続を一般に「ブロードバンド(広帯域接続)」と呼んでいます。
アメリカでは、ケーブルテレビ回線を利用するケーブル・インターネットと、
既存の電話回線を利用するDSLがもっとも普及している広帯域インターネット接続です。
モデムによる接続は、実質40kbpsぐらいですが、ブロードバンド接続では、
モデムの10倍~100倍のスピードで家庭でのインターネット接続ができるようになります。
日本ではNTTがモデム接続より高速なISDNを推進していましたが、速度に限界があり、
ISDNのあとは光ファイバーを推進していたのと、ISDNとの干渉が問題で、DSLの普及が遅れていました。
韓国はDSL先進国で、2005年頃までは、世界で最も人口当たりのDSLの普及率が高い国でした。
しかし、現在韓国ではDSLの普及が早かったためか、普及率が高かったためか、DSLから、 FTTHへの移行が進まないという問題を抱えています。
一方日本ではADSLの競争が激化し、2003年ごろには、100kbpsあたりのブロードバンド利用料金が、
世界で一番安くなっています。これは普及率よりも、ADSLの高速化競争によるもので、
インターネットしている人は高速で快適なネットライフを送っているということです。
近年ではFTTHへ移行もさらに進行していますが、ブロードバンドの世帯普及率に関しては、
まだ韓国や北欧に比べると多いとはいえません。
IP電話って?
IP電話とはIP網又はインターネット網を使用したサービスで、 通常の電話機から専用のVoIPアダプタ(モデム等)を通し、 音声データをデジタルデータ(IPパケット)にして、 ADSLなどのブロードバンド可能回線からIP網やインターネットを経由し、 相手に電話するサービス。
末端は一般回線同士で使用できるIP電話には、フュージョンコミュニケーションズなどがある
リーチDSLって?
リーチDSL(Reach DSL)とは通常の電話回線に使われている銅線を用いて 高速なデジタルデータ通信を実現する伝送技術の一種で、 ADSLサービスに比べ、使用する周波数帯域を低くして最大速度を抑える代わりに、 9km以上(理論値)の長距離回線やノイズの進入が多発する回線でも 安定した通信品質を確保できる方式です。伝送速度は最大960kbps(上り下り対称型)です。
bpsとは?
そもそもbpsとはどれくらいの転送できるのか?
bps(bit per second)とは、単位秒あたりの送信速度をあらわし、 たとえば8bpsという速度だと、1秒間に8bit(ビット)の送信速度ということです。 bitという単位はどれくらいの量かわかりにくいですが、1byte(バイト)=8bitという量になります。 1byteは通常データを扱うときの単位ですので、少しはわかりやすいと思います。
そこで2Mbpsの速度が出る回線がある場合、
1秒あたりどれくらいのデータが転送できているかというと
2Mbps÷8bit=0.25Mbyte/秒=250kbyte/秒
となります。
この場合100MBのデータを転送するのにかかる時間は100MB=100000KB÷250kbyte/秒=400秒=6分40秒となるわけです。
回線 | 速度 | 1秒あたりの転送量 | 100MBの転送にかかる時間 | |||
ISDN | 64Kbps | 0.008MB | 8KB | (3時間28分)208分 | 12500秒 | |
ADSL | 1.5Mbps(平均) | 1Mbps | 0.125MB | 125KB | 13分 | 800秒 |
12Mbps(平均) | 3Mbps | 0.375MB | 375KB | 4分27秒 | 267秒 | |
40Mbps(平均) | 10Mbps | 1.25MB | 1250KB | 3分20秒 | 200秒 | |
FTTH | 100Mbps(平均) | 30Mbps | 3.75MB | 3750KB | - | 27秒 |
100Mbps(高速) | 80Mbps | 10MB | 10000KB | - | 10秒 | |
-参考までに- | ||||||
USB | USB1.1 | 12Mbps | 1.5MB | 1500KB | 1分7秒 | 67秒 |
USB2.0 | 480Mbps | 60MB | 60000KB | - | 1.7秒 | |
IEEE1394 | 400Mbps | 50MB | 50000KB | - | 2秒 | |
CD-ROM (650MB=74分) |
等倍速 | 1.16Mbps | 0.146MB | 146KB | 74分=CD650MB | 685秒 |
52倍速 | 60.32Mbps | 7.6MB | 7592KB | 1分半=CD650MB | 13秒 | |
DVD-ROM (1層 4.7GB) |
等倍速 (CD=18.5倍速) |
11.08Mbps | 1.385MB | 1385KB | 57分=DVD4.7GB | 72秒 |
16倍速 (CD=176倍速) |
177.28Mbps | 22.16MB | 22160KB | 3分半=DVD4.7GB | 4.5秒 | |
HDD | IDE(ATA66) | 528Mbps | 66MB | 66000KB | - | 1.5秒 |
IDE(ATA133) | 1064Mbps | 133MB | 133000KB | - | 0.8秒 | |
※1MB=1000KByte=1000000Byteで計算した場合の結果です。 |
これであなたの転送速度がどれくらいなのかが、大体わかるでしょう。
関連項目
ADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line)
通信速度 | 最大12Mbps(上り) 最大50Mbps(下り) |
最大伝送距離 | 約7~8km (最大通信速度時) |
音声同時伝送 | 可能 |
SDSL (Symmetric Digital Subscriber Line)
DSL技術の1つ、ADSLではアップストリームとダウンストリームの速度が
大きく異なりますが、SDSLでは最大データ転送レートを抑える代わりに、
双方向対称な回線速度を実現します。
インターネット・アクセスはもちろん、LAN-to-LAN接続などに適しています。
初期は通信速度が2.3Mbps程度でしたが、現在ではADSLと同様に高速化が計られています。
通信速度 | 最大8Mbps (上下対称) |
最大伝送距離 | 最大約7km (最大通信速度時) |
音声同時伝送 | 不可 |
HDSL (High-bit-rate Digital Subscriber Line)
SDSLと同様に、上りと下りが同じ伝送速度のDSLです。 SDSLとの違いは、SDSLの利用ケーブルは2ワイヤーですが、 HDSLは4ワイヤー(2対のツイストペアケーブル)なので、 安定して伝送距離を伸ばすのに適しています。
通信速度 | 128K~2Mbps (上下対称) |
最大伝送距離 | 最大約20km (最大通信速度時) |
音声同時伝送 | 不可 |
VDSL (Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)
上りと下りの速度が異なるDSLです。隣接する光ファイバー網までメタルケーブルで接続し、
その間、光ファイバー同様の速度でデーター伝送する場合に適しています。
当初下り52Mbps・上り2.6Mbps程度まででしたが、現在は使用周波数帯域を最大16.7MHzまでにすることにより、
下り100Mbps上り40Mbps程度までサービスは高速化しています。
最近光ファイバーのマンションタイプに※PNAの変わりにVDSLをレンタル提供開始しています。
※PNA(Phoneline Networking Alliance)は、電話用メタリック配線を用いて最大速度は10MbpsのLANを構築する装置。
通信速度 | 約100Mbps (上下) 実測上りは40Mbps程度まで |
最大伝送距離 | 約1km以内 (最大通信速度時) |
音声同時伝送 | 可能 |
IDSL (ISDN Digital Subscriber Line)
通常DSLにはアナログ電話回線が利用されますが、IDSLでは専用回線が利用されます。 そのためアナログ電話回線を利用したDSLよりも、広範囲で利用することが可能です。 最大利用可能範囲は電気通信事業者のセントラル・オフィスから 20000フィート(6km程度)使えるそうです。
最大伝送距離 | 約6km (最大通信速度時) |
RADSL (Rate Adaptive Asymmetric Digital Subscriber Line)
電話回線の状況に応じて、データ転送レートを動的に変化させるADSL技術です。 ADSLでは遠距離通信や外部からのノイズにより、回線速度が変化しますが、 RADSLはそれを動的に制御することで、SDSLよりもより高速なデータ転送レートで実現します。
通信速度 | 128k~1Mbps(上り) 1M~12Mbps(下り) |
最大伝送距離 | 2km (最大通信速度時) |
音声同時伝送 | 可能 |