メディアのいろいろ(次世代編~)
最終更新日:2008-02-10
DVD
DVDとは
digital versatile disc(デジタル・バーサタイル・ディスク)の略だといわれることが多いですが、 現在ではDVDそのものを名詞として、DVDが何かの略ではありません。 当初次世代のLDとして開発を始められ、Video用途のDVD-Videoを指すことから、 digital video discと呼ばれることが多いが、正式な名称ではない。
DVDは、大きくDVD-Video・DVD-Audioと書き換え用に分類できます。
DVDの歴史と概要
DVDを次世代LDとして、高画質で映画を2時間以上記録するというターゲットのもとに 1991年より開発が進められていました。1995年末には、DVDコンソーシアムが作られDVDがスタートし、 1996年8月には、DVDビデオブックが発行され、同年11月にはDVDビデオプレーヤが発売されました。 1997年には追記型3.95GBのDVD-Rブックと2.6GB書き換え形ディスクのDVD-RAMブックが発行され、 1999年には、書換え型の4.7GBの規格であるDVD-RWブックとDVD-RAMブックが発行されました。 2000年には4.7GBのDVD-Rの規格も導入されました。
DVDの基本設計は映画をコンテンツとするため、再生時間は、 ほとんどの映画を1枚のディスクに収容できる133分必要で、 レーザーディスク(LD)の後継となるDVDがLDより悪い画質にするわけにはいかず 映像は平均レートで3.5Mbps以上が不可欠で さらに、音質、国際性、マルチメディア性を考えドルビーAC3を3言語(384Kbpsx3)と 字幕を4言語(10Kbpsx4)を設定し、合わせた容量が4.7GBとなるよう規格が設計されています。
<容量>
12cmDVD(第1世代メディア片面)が4.7GB
12cmDVD(第1世代メディア両面)が9.4GB
書き込みようのDVD-RAMで利用される容量です 一部DVD-Rでも製造されています。
12cmDVD(第2世代メディア片面)が8.6GB
この2層式は主にカーナビ用DVDや映画などのDVD-Videoに使われています。 最近では後述するDVD-R/RWやDVD+R/+RWの2層式メディアも発売され、 書き込みができるドライブも発売されています。
12cmDVD(第2世代メディア両面)が17GB
こちらの方は2層式で両面記録されているメディアですが、あまり出回ってないようです。
DVD-R
DVD-Recordableの略。
DVD-Rの概要
DVD-R (容量3.95GB) 規格ver.1.0は1997年に発行され、
1998年11月には容量4.7GBの前規格Book ver.1.9が発行されたのですが
コピープロテクション関連の議論を経て4.7GB DVD-Rは2つの規格に分割され
DVD-R for Authoring ver.2.0、DVD-R for General ver.2.0に分かれました。
for Authoring はプロ用のオーサリング用途に限定され、
for General は一般の民生用途に開放されています。
両者は、民生用、プロ用双方のディスクが記録機互換を持たないように、
記録レーザ波長やアドレス配置の違いを設けてられているのです。
このディスクは互換性が高く、殆どのドライブで読めることから、家庭のデジタルカメラで録画した
ビデオなどをDVD-Videoの形式で保存し、家庭用DVDプレーヤーで楽しむなどの
いろいろな用途につかえますが1回のみしか書き込めず、CD-Rのようには追記ができません。
その点が難点。PCのデータ保存・バックアップとしては使いといえます。
※家庭用DVDプレーヤー初期のものは見れない場合もあります。すべてのドライブで読めるわけではありません。
DVD-RW
DVD-ReWritableの略。(正式名称はDVD Rerecordable Disc)
DVD-RWの概要
当初から記録容量4.7GBの規格が検討され1999年11月にver.1.0が、
翌年9月にver.1.1へのversion up informationが発行されました。
CD-RWと同様に、ディスクの反射率が低い。
このDVD-RWは、DVD-R for General ver.2.0と同じ記録レーザ波長やアドレス配置です。
このディスクも他のDVD-ROMとの互換性がありますが、
現在はCD-RWのような追記や、書き換え、パケットライトに制約が多いという欠点があります。
パケットライティングソフトを使用して、パケットライトに対応します。
DVD-RAM
DVD-RandomAccessMemoryの略。
DVD-RAMの概要
PCデータの用途で書換えが可能な規格として作られました。
1997年の当初の規格ではVersion1.0記録容量が2.6GBが制定された。
1998年にはすでに製品化されていました。
MOやFD感覚でデータが書き込め、データのバックアップと言う面で適して、
ビデオ録画用機器への使い勝手もよく、データ記録に優れたメディアです。
XP以前のOSではDVD-RAMを認識させると、書き込みと読み込み用の2つのドライブが認識されます。
XPでは書き込みがドラックアンドドロップで簡単にできます
メディアの物理特性がDVD-ROMとは異なるため、
DVD-ROMドライブとの互換性がとても低いのですが、
10万回という相当な量を書き換えることができるのが一番の強みです。
本当は強みになるはずの信頼性の高い記録・再生を可能にするベリファイ機能と高水準のエラー訂正機能は
書き込み速度低下"書き込み時間の増加"という欠点になっています。
ただ、DVD-Rなどとは違い、MOやFDD感覚で大容量が扱えるので手軽に便利です。
DVD+R
DVD+Recordableの略。
DVD+Rの歴史と概要
ライトワンス型DVDディスクであるDVD+R規格はDVD-Rと同じく、DVD+RWのライトワンス規格として、
2002年1月21日に規格策定されました。
ライトワンス規格のDVD+Rが、リライタブルのDVD+RWよりも後発であるのはCD-R, DVD-Rとは異なります。
この規格は、DVDフォーラムの規格ではないため、厳密にはDVDとは別規格となります。
しかし、リライタブルのDVD+RWが反射率などの問題から再生互換が高くなかったため、
ライトワンス規格として、DVD+RWと同様にファイルシステム構造が近いため、
再生専用ディスクに迫る互換性を実現しました。
DVD+RW/RのメディアIDをDVD-ROMと同様に変えるという設定があり、このことを一般にROM化と呼びます。
このROM化することにより、DVD-ROMドライブがROMと認識して読み込み可能になることがあります。
DVD+RはDVDフォーラム規格外であり、DVD-R対応ドライブが多いため、
互換性の点で-Rに一歩譲っている状態でしたが、近年DVDマルチドライブなどDVD-R/RW、
DVD+R/+RWなどに対応したドライブやプレイヤーが普及したことで、
互換性について問題視されることは少なくなりました。
DVD+RW
DVD+ReWritableの略。
DVD+RWの歴史と概要
DVD-RAMの互換性の低さの問題からDVD+RWはDVD-ROMとの互換性を確保する方式として策定されました。
反射率が低いためDVD+RやDVD-Rに互換性で劣りますが、
この規格も、DVDフォーラムの規格ではないため、厳密には独自規格となります。
追記もできるためUDFパケットライトソフトを使えばCD-R/RWのように書き換えができます。
DVD+R/+RWの特徴:1.ランダムアクセスのつなぎ目
互換性を保つ為のDVD+RWの最大の特徴のひとつとして、「ロスレスリンキング」があります。
ランダムアクセスでデータを変更する場合、データブロックとデータブロックをつなぎ合わせることが必要になります。
DVD+R/+RWのフォーマットではこのリンク部分を1ミクロン以内という高精度でつなぎ合わせることにより、
リンクブロック無しで書き込みおよび編集が可能になっています。
このためDVDの書き込みの際のバッファーアンダーランが起こった場合も、ロスレスリンクすることで、
バッファーアンダーランエラーが起こらないようになっています。
また可変ビットレートでのMPEG2記録もDVD-Video互換を保ったまま可能になっています。
DVD+R/+RWの特徴:2.フォーマット
そしてもうひとつの特徴として、OSTA(Optical Storage Technology Association)のほかに
DVD-RAMにも使用されている業界標準のUDFVer.1.02も用いることができます。
それによって、CD-RWと同じようにパケットライティングが可能になっています。
また、Ver.1.02を使用することにより、通常の追記型に使用されているUDFVer.2.0よりも、
高い互換性で記録することができます。
パケットライト時にCD-RWのネックになっているフォーマットの遅さを解消する方法として、
「バックグラウンドフォーマット」が採用されています。
これによりフォーマットの際、lead-inとデータエリアの必要な部分のみをフォーマットしたのち、
即座にランダムアクセスが可能になります。
データエリアのフォーマットは、リード/ライトの空き時間に順次行なわれます。
700MBしかないCD-RWで10分程度必要だったフォーマット処理時間を、
4.7GBという大容量でありながらわずか1分強まで大幅に短縮しています。
これによりCD-RWよりも使いやすくフロッピーディスクやMO、
互換性の低い点で問題だったDVD-RAMの代わりとしても使いやすく作られました。
1GBの掟
DVD-R/RWでDVD-Videoなどを作成する場合のネックとなるのが、 一回の記録毎に1GB以上のデータを必ず記録しなければならないという規格上の問題は 過去の製品との互換性を考慮しているためですが、この仕様を満たさずとも再生できる製品は多い。 基本的なライティングソフトは、1GB未満のデータを記録する場合に実データのみを記録する 「高速モード」を搭載し、高速に記録できるよう配慮しています。 互換性を高める上で必要な量までデータを記録する「互換モード」も搭載していて、 読み出せないことに対処することも可能です。
(PS2の型番:SCPH-10000、SCPH-15000で再生したい場合、この互換モードを使用する必要がある。)
参考:DVD+RW/+Rふぁん
記録方式 | 容量 | 読み出し レーザー波長 |
書き込み レーザー波長 |
レンズ開口数 (NA) |
反射率 | トラック・ピッチ | 最短 マーク長 |
セクタ配置 | 書き換え 回数 |
|
DVD-ROM (一層) |
読み込み専用 | 4.7G | 635nm/ 650nm |
- | 0.6 | 45~85% | 0.74μm | 0.4μm | CLV | - |
DVD-ROM (二層) |
読み込み専用 | 8.54G | 635nm/ 650nm |
- | 0.6 | 18~30% | 0.74μm | 0.44μm | CLV | - |
DVD-RAM | 相変化・書換型 | 4.7G | 650nm | 650nm | 0.6 | 18~30% | 0.74μm | 0.42μm | ZCLV | 10万回 |
DVD-RW | 相変化・書換型 | 4.7G | 635nm/ 650nm |
635nm/ 650nm |
0.6 | 18~30% | 0.74μm | 0.4μm | CLV | 1000回 |
DVD+RW | 相変化・書換型 | 4.7G | 650nm | 650nm | 0.6 | 18~30% | 0.74μm | 0.4μm | CLD | 1000回 |
DVD-R | 有機色素・追記型 | 4.7G | 635nm/ 650nm |
650nm | 0.6 | 45~85% | 0.74μm | 0.4μm | CLV | 1回 |
DVD+R | 有機色素・追記型 | 4.7G | 635nm/ 650nm |
635nm | 0.6 | 45~85% | 0.74μm | 0.4μm | CLV | 1回 |
HD DVD (一層) |
15G | 405nm | - | 0.65 | - | 0.40nm | 0.204nm | CLV | - | |
HD DVD (二層) |
30G | 405nm | - | 0.65 | - | 0.40nm | 0.204nm | CLV | - | |
Blu-ray (一層) |
25G | 405nm | - | 0.85 | - | 0.32μm | 0.149μm | CLV | - | |
Blu-ray (二層) |
50G | 405nm | - | 0.85 | - | 0.32μm | 0.149μm | CLV | - |
SuperAudioCD
CDを超える次世代の高音質CDがSuperAudioCDです。
このSuperAudioCDは、SONY・PHILIPSの両社によってNEWCDとして規格されました。
容量
DVDと同じの4.7GBですが、レイヤー(層)を増やすことにより、DVDのように容量を増やすことができます。 そしてハイブリットレイヤーでは、現行のCDでも使えるハイブリットCDとすることができます
暗号化技術
4種類のプロテクトがかけてあり、暗号化など、強化されます。
項目 | スーパーオーディオCD (シングルレイヤー時) |
DVD-Audio | 現行のCD |
直径 | 12cm | 12cm | 12cm |
厚さ | 1.2mm | 1.2mm | 1.2mm |
再生面 | 片面再生 | 片面再生 | 片面再生 |
符号化方式 | 1ビット・DSD | リニアPCM&Packed PCM | 16ビットリニアPCM |
サンプリング周波数 | 2.8224MHz | 48/96/192kHz 44.1/88.2/176.4kHz |
44.1kHz |
データ容量 | 4.7GB | 4.7GB | 780MB |
トラック間隔 | 0.74um | 0.74um | 1.6um |
レーザー波長 | 650nm | 650nm | 780nm |
再生周波数範囲 | DC~100kHz以上 | DC~96kHz | DC~20kHz |
ダイナミックレンジ | 120dB以上 | 144dB | 96dB |
記録可能時間 | 109分(2ch) | 62分(5ch) | 74分(2ch) |
追加機能 | テキスト、グラフィックス、ビデオ | リアルタイムテキスト、 グラフィックス、ビデオ |
テキスト |
Blu-ray Disc
名前のとおり、青(紫)色レーザーを使用する次世代のDVD(DVDに代わるもの。)
- 株式会社 日立製作所
- LG電子株式会社
- 松下電器産業株式会社
- パイオニア株式会社
- ロイヤル フィリップス エレクトロニクス
- サムスン電子株式会社
- シャープ株式会社
- ソニー株式会社
- トムソン マルティメディア
の9社は、波長405nmの青紫色レーザーを用い、CDやDVDと同直径12センチメートル(cm)の 相変化型光ディスク片面1層に最大27ギガバイト(GB)の映像データを、 繰り返して記録・再生することができる次世代大容量光ディスクビデオレコーダー規格 『Blu-ray Disc』の仕様を策定しました。
『Blu-ray Disc』は、レーザーを集光する対物レンズの開口数を0.85とすることにより、 ビームスポットを微小化し、レンズの高開口化に対応した光透過保護層厚0.1ミリメートルの ディスク構造を採用することで、ディスクの傾きによる収差を低減し、 読み取りエラーの低減や記録密度の向上を図っています。 これにより、ディスクの記録トラックピッチをDVDの約半分の0.32μmに微細化し、 ディスク片面に最大27GBの高密度記録を実現しているようです。
データ転送速度も36Mbpsと早く、高画質の映像を高品質で記録することができ、 カートリッジの構造をとることにより、キズや汚れに対して強い構造をとっています。
(ただ、RAMもそうですが、パッケージメディアが高価になるという点もあり、 MDのように市販の音楽や映像などの用途で汎用性のあるものより、 パソコンのようなデータ関連で扱えるようになった方が有利なため、 後にカートリッジなしタイプも規定されたそうです。)
HD DVD (AOD)
DVDフォーラムが策定した、DVDの後継となる大容量光ディスクの規格で、 東芝とNECが共同提案した「AOD」(Advanced Optical Disk)仕様をベースとしており、 2003年11月に承認。(開発時の名称はAOD)
HD DVD規格は読み取りに波長405nmの青紫色レーザーを使用し読み出し専用のHD DVD-ROM規格では片面単層で15GB、 2層で30GBの記憶容量を持ち、現在審議中の書き換え可能型規格では、片面単層20GB、2層で40GBとなる予定。
HD DVDの最大の特徴は現行のDVD規格との高い互換性で、片面2層記録メディアの場合、 DVD-ROMと同様に1層0.6mmの基板を2枚貼り合せることで1枚のディスクを構成する。 また、ピックアップの開口数も0.65もDVD規格と同じなのです。 互換性の高さにより、DVD機器の上位互換機種としてHD DVD機器を開発するのが容易で、 HD DVDメディアの生産設備もDVDメディアのものを流用でき、設備投資を抑えることができる。 現行のDVD規格との互換性をほとんど持たないBlu-ray Disc規格とは対照的な規格のようです
2008年に次世代DVD規格としてはblu-rayに譲り、撤退しました。
※~Bookとは
一つ一つのメディアの企画書。色の名前が使われているのは、 CD-DAの企画時の企画書の表紙が、Red(赤)であったことから、 RedBookというようになり、企画書の名前に色が使われるものと・・・。